- 星野ヴァイオリン・ピアノ教室
駒を立てる
皆さん、こん○○は。
先日ある生徒さんと話をしていた際に、
「楽器が送られて来た時に駒は立っていなかったので、自分で立てました。」
とおっしゃっていて、『はぁ〜??』と一瞬驚いたのですが、
あ、そう言えば…とある事を思い出しました。
今から20年も前の話になりますが、(笑)
私が初めて勤めた、富士見市にある埼玉音楽院での出来事です。
初出勤のその日に、
「先生!新しい楽器が届いてますので、駒を立てて下さい!」と。
はぁ?何を言ってるんだこの人は?と思ったのですが、
「我々は素人だから、先生やって下さい!」
いやいや、待て!私もヴァイオリンが弾けるってだけで、
職人じゃないんだから、素人と一緒ですよ。
しかし、よくよく話を聞いてみると、スズキバイオリンの、
アウトフィットと言うセット楽器は、
駒を立てていない状態で送られてくるのだそう。
これが下倉楽器や黒澤楽器さんなどだと、
ちゃんとそこに職人さんもいるので、
職人さんが、ちゃんとした位置に立てて下さいます。
埼玉音楽院は以前は楽器店として、楽器販売もしていたようで、(今はしていない)
このように、直接楽器を仕入れていたようです。
仕方ないので、まあ大体この辺りだろう、と言う所に駒を立てて、
何とかその場を凌ぎましたが、
自分で駒を立てるなんて、この時とその後一回あったか無いか?ぐらいの事で、
すっかり忘れておりました。(笑)
駒と言うのは、大体この辺りってのは決まっていますが、
個体差があり、微妙に違います。
1ミリ違うだけで、響きが変わりますので、
(傾きが少し違うだけでも、音は変わります。)
何処に立てるかは、長年の経験と勘が必要です。
通常、弦楽器店で楽器を買う場合、
既に職人さんがちゃんと調整をした状態で、
(勿論、駒も立てた状態で)
売られていますので、自分で立てるなどと言う事はありません。
【餅は餅屋】ですので、こういったことは、
専門家にお任せするのが1番ですね。
仮に自分で立てなければいけない事があっても、
(落としたり、弦が緩みすぎたりして倒した場合)
取り敢えずこの辺、って所に立てて、
後日、楽器屋に持っていって、職人さんに調整して貰いましょう。