- 星野ヴァイオリン・ピアノ教室
指使いは守らないといけないの?
最終更新: 2020年2月21日
皆さん、こん○○は。講師の星野義浩です。
今日は「指使い」についてのお話です。
ピアノ経験者などが、「先生に指使いばかりを注意されて嫌だった。」
とか、「好きな指使いでやらせて欲しい。」などと言う話を聞きます。
まあ、気持ちは分からなくもないですが・・・
結論を先に言ってしまえば、
『指使いなんて何でも良いのです。』
ちゃんと弾けていればね。
モスクワ音楽院のピアノ科教授、故ゴルノスタエヴァ先生なんて、
「自分の出したい音が出せるならば、鼻の先で弾いたって構わないんですよ。」
って名言を残しているくらいですからね。(笑)
そもそも同じ曲でも、編集者によって振ってある指使いには微妙な違いがあります。
有名なところではヘンレ版の指使いは、手の大きい外国人向けと言われておりますし、
逆に春秋社の井口基成版は、日本人向けの指使いが多いです。
また、最近の版は同音での指替えは少ないですが、古い井口版だと、
必ず指替えをさせている、という傾向もあります。
ただ、何でも良いと言いつつも、やはり弾き易さや、
合理的であるに越したことはありません。
例えばピアノの場合、ドレミファソと言うフレーズを弾く時に、
12345と順番に弾くのが理想的です。
それを34234のように、4の後に2を乗り越えさせると言うのは、
かなり無理がある指使いです。しかし、こうやって弾いてくる人も居る訳です。
レッスンでハノンのスケールをやったり、エチュードをやったりするのは、
指使いの合理的なパターンを覚えるためであり、
どの指使いが弾き易いかと言うのを覚える事は大切です。
私は基本的には指使いは守るよう、指導しております。
その上で、本人に合わないな、と感じたものは変更していきます。
各々手のサイズは違うわけですから、合わないものを無理して合わせる
必要はありません。
また、ゆっくり弾くと弾き難いな、と感じる指使いも、
テンポを上げると、ムラが無く、転び難いなんて事もあるので、
単に弾き易さだけに決めない事も重要です。
ここで勘違いしないでもらいたいのは、指使いを変える事と、
毎回好き勝手な指使いで弾くことは違います。
私がうるさく注意することは、こちらなのですが、
弾き難ければ、指使いを変える事は構いません。
しかし、変えたのなら、ちゃんと楽譜に書き込まないと分かりませんし、
変えた指使いで毎回弾きましょう。
それをその都度適当にやっていたのでは、毎回指使いが変わるので、
練習の蓄積が出来なくなります。それだと何回弾いても上達しない、
ということになってしまいます。大切なことは、
どの指使いにしても、毎回その指使いで弾く事!
なのです。まあ、結果的に指使いは守らなくてはいけない。
って事になるのですが、決して書いてあることだけが正解ではない、
って事は頭に入れておくと良いと思います。
そして、取り敢えず書いてある指使いで1度は弾いてみる、
という事も大切です。